リアル






『容疑者の植田美緒は歯学部に在籍していて……』


裕児はそのニュースを詰まらなそうに眺めた。


「やっぱり、他人にやらせちゃ、面白くないな」


裕児は呟きながらテレビを消した。


そして、蓋に小さな穴を開けた瓶を手にした。


その中には大きな蜂がはいっている。


裕児はほくそ笑みながら、ラップで蓋の穴を塞いだ。


「ゆっくりと死を味わってごらん」


中の蜂は状況など分からずに羽根を震わした。


息絶えるその時まで……。






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