リアル




次に向かった場所は、一人目の被害者、清原仁美の遺体が置かれていた場所だ。


そこは川原で、その川は先程の空き家の前からも見える。


こんな近くで死体遺棄があったことなど、薫は全く知らなかった。


そこにはもう黄色いテープはなく、普段通りの光景と呼べるのだろう。


「ねえ、どの辺りにあったの?」


薫は草を踏みしめた。


「多分、この辺り」


隆は立っていた場所から数歩動いた。


そこは歩道に近い。


川原はわりと広く、隠すつもりならもっと奥に置けたはずだ。


やはり、二人目同様、見付かることを前提としているようにしか思えない。


薫はまたその位置に立ち、辺りに目を向けた。


先程の空き家からは丁度向かい辺りになるだろう。


そこから見える景色とは違う。


家々に、工場、大きな建物。


橋は見えない。


「あれ、何?」


薫は正面を指差した。







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