リアル




二人は並んで二人目の被害者、坂口佳奈の遺体が置かれていた場所へと向かった。


五分も歩かないうちに着いてしまう空き家の前は、まだ黄色いテープが貼られている。


ここでの捜査はまだ終わっていないということだろうか。


当然中に入れるはずもなく、遺体が置かれていた場所すら見ることは出来ない。


だからといって、此処に来たのが無意味というわけではない。


薫は家に背を向けて立った。


そんな薫の様子を、隆は何をしているのか理解出来ないらしく、真似をした。


薫はそこから見える景色を見回した。


特に意味のある行動ではない。


だが、分かることもあるかもしれない。


見えるのは川、家々、小さな建物、大きな建物、橋、そして小学校だ。


「次行くわよ」


薫は足を前に出しながら言った。



.
< 65 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop