∮ファースト・ラブ∮
「ぼくはね、女性らしい女の子が好きなんだよ。
弱音を吐かない君の様な娘は嫌いでね。
はじめは面白いと思ったけど……やっぱり飽きたよ」
麻生先輩は女の人から体を起こし、あたしと向き合った。
いつもとまっていた首元まであるボタンが千切れている。
カッターシャツは乱れていて、お腹のあたりまで開いていた。
「バイバイ。
手鞠ちゃん。
あ、それとも、最後のキスでもしてあげようか?」
先輩はあたしの両肩を強く掴んでくる。
顔が近づいてくる……。
だけど…………。
こんなキスはしたくない。
想われているキスとも、あたしのことを想っていないキスとも違う。
大嫌いのキスなんて。
こんなのは…………。
「いや!!
やだ!!」
ドン!!