初デートは二人きりで?
「……っ!?」



目の前には先輩の顔。


そしてそれは、ちゅっと小さな音と共に離れる。



「い、今…!これでストップって…っ」


「それとこれとは別。ほら、よくあるじゃん。観覧車の頂上でキスしたらずっと一緒にいられる的な?」



温かい感触が残る唇を押さえながら驚いて夏輝先輩を見ると、先輩は悪びれた様子もなく、満足そうに微笑んで。



「これで雪乃ちゃんとずっと一緒にいられるかな?」


「……夏輝先輩、ずるいです…」




まるで“絶対に離さない”とでも言いたげに、ギュッと繋がれた手。


嬉しさと幸せと恥ずかしさが混ざって、なんだかくすぐったい。



(…やっぱり、大好き…)



私はにっこりと笑う先輩をチラリと見てから、ギュッとその手を強く握り返した。




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