過去の柵
あれは………まだ残暑の残る秋口のこと。

秋休みで校内には生徒会しかおらず、生徒会は暑いながらも職務を全うしていた。

「暑い……」

うちわで扇ぎながら先生から貰ったアイスを食べている静香姿を見て言の葉はまだまだ暑いことを思い知らされ余計に暑いことを実感していた。


「会長…アイス喰いながら暑いって言わないでよ………。」

そこに横槍を入れたのは城田飛鳥。

誰とでも仲良くなって打ち解けるのは校内一。

静香「言の葉ちゃん…こいつどうにかならんかね…。」

言の葉「なりません。なんせたらしでも有名ですから……」


言の葉と呼ばれた少女は校内でも珍しい一年生の生徒会役員。

頭脳明晰、博学多才と謳われている。

また地主の一人娘。

飛鳥「んなバッサリ切らなくても………」


飛鳥は言の葉に切り捨てられたことに心を打たれたらしい。

そんなことで動じないのはいとこだからだろうと周りは囁いているくらいあっさりしている。
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