3つのナイトメアー
少し皺の目立つようになった優しい笑顔が、子供時代愛して止まなかった頃
の面影と重なる。恭子は声を詰まらせながら言った。
「ううん、もういいの。これまで有難う。恭子、絶対幸せになるからずっと見
守っててね」
「ああ、もちらんだよ」
恭子は父と固く抱き合った。恭子は知らなかった。その時、父と可南子との
仲がほとんど破局状態だったことを。そしてなにより、これが元気な父を見る
最後になったことを。
翌年、恭子に長女の春名が生まれた。二十一歳の若さで母親になった恭子
は、慣れない育児に戸惑いながらも幸福で充実した日々を送っていた。
そんな矢先、父が仕事先で倒れて入院したと、母から突然連絡を受けた。恭
子は慌てて病院にかけつけた。ベッドで点滴を受けていた父は、一年前の結婚
式の時よりさらに痩せて顔色の悪さは尋常でなく、恭子は心配のあ