シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
憂いの含んだ切れ長の目は。
更に多くの…言葉にならない心をあたしに訴えかけてきた。
あたしでは受け止めきれないほどの…櫂の心。
それは――
迸(ほしばし)るような櫂の愛情だった。
時間にして数秒。
だけど櫂の目が語る心は――
永遠に…告げているように思えた。
どうして涙が出るんだろう。
どうして嬉しくて仕方が無いんだろう。
好きよりも深い心を貰った気がした。
おかしいよね、どうしてここのタイミングで?
どうして此処まですんなり心に入ってくるのか。
その充実感は…終焉がある"恋愛"というものを否定続けたあたしが、昔から"永遠"という名で櫂に望んでいたことに限りなく近い気がして…それが今、櫂から得られたような気がして…あたしは耐えきれず嗚咽を漏らした。
櫂があたしの前から駆ける。
引き留めて抱きつきたい激しい衝動を抑える。
ああ、きっとそうだ。
そうなんだ。
昔からなんだ。
だからこんなに、愛しく思っていたんだね。
あたしは――
きっと――
櫂のことが――
――芹霞ちゃあああん!!!
櫂のことが…
その時だったんだ。
地面に這う蛆虫の大群に気づいたのは。
そして――
「どうして!!!?」
夜空を覆い尽くすほどの…
「どうして今、
――蝶が!!!!?」
黄色い蝶。
それはまるで櫂の背中を追うように…
凄まじい速度で移動していたんだ。