シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
何で、どうして?

ゴール目の前、もう少しで櫂が勝つのに!!!


何よ、これ!!?

どんな悪夢よ、これは!!!


異形の群れ。


力がないあたしでさえ感じ取れる、身体が凍りつくような邪気。

櫂達の言葉を借りれば…"瘴気"というものになるんだろう。


これは…

此の世にあってはならない、闇の生物だ。



それは皆櫂を追っている!!!


「ははははは!!!」


笑うのは、久涅。


小猿くんの首を地面に押さえつけた久涅。


久涅の力が――

小猿くんに勝ったんだ。


蛆と蝶が、あたし達を通過しようとした時、

突然久涅は飛んできて…あたしをがばりと抱き締めた。


同時に小猿くんは…朱貴の手の中で守られて。


暴れるあたしの前で、天と地より…異形の生物が移動する。


闇夜を切り裂くような…鮮やかな黄色と白色は、久涅と朱貴を避ける様にして櫂に向う。


"無効化"


その力の凄さを、まざまざと見せ付けられた。


「見ろ、小娘。あれらは櫂を捕らえる。

櫂ではあれらを払い除けられない!!!


――…俺の…勝ちだ!!」


勝ち誇ったような声が、耳元で聞こえる。


「違うッッッ!!!

最後に勝つのは…櫂だわッッッ!!!」



どんと久涅を突き飛ばしたが、すぐ腕をとられる。



目の前で、膨れ上がる白い塊。

< 1,166 / 1,192 >

この作品をシェア

pagetop