シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
何だよ…これ。
男女の声は統一性がなく、嗄れた声から若い声までイロイロで。
聞いた声、聞いていない声…諸々入れ乱れている。
流れる映像は、まるでアルバムの写真をごちゃ混ぜにしたかのように、時系列が狂い…前後の繋がりが判らず、意味を成さない。
無秩序すぎるこの世界は、荒れた心の中を表しているのだろう。
これが"エディター"たる者の心の内だとしたら、
視点が多すぎた。
声が多すぎた。
誰の主観で、誰の客観か判らない。
そう苛立っていた時、
『玲、無意識領域内の"自我"の深層…"自己"いうべき"エディター"の声が溢れてくるから、気をつけろ。浚(さら)われるな!!!』
紫茉ちゃんが警戒に満ちた声を放つ。
それは…一気に来た。
声に声が重なり合うように、泣いて怒って笑って…。
まるで心が壊れた玩具のように、狂った声が拡がりを見せる。
全て聞き取ることは難しいけれど…一部ならなんとか聞き取れた。
"私は必要ないの!!?"
"イチルが私から全てを奪うのは許せない"
"悪いのは私じゃないわ"
"ああ!!! 犬が…犬が怖い!!!"
"その黄色い服を裂いてやる!!!"
"ああ…私は殺されるの? 殺される…?"
"殺してやる!!!"