一途愛
「明日から学校だろ?」

「そうだった……。」いきなり気持ちがダウンした。

「だからさ 魔法をかけにきたんだ。」

「え?魔法?」
龍を見上げる。

「強くなる魔法。」

「強く?」

「姫のイメチェンはかなりの話題性がありそうだからさ。」
龍が笑う。

龍は私の鼻さきに乗った冷たい雪に
また 唇をよせる。

恥ずかしさに身をよじった。


クスクス 龍の笑顔。


「そうだね 明日はいろんな攻撃の矢が飛んでくるわ。」

「俺が力いっぱい守ってもさ
最後は姫自身が強くならないと 状況は変わらないからさ。
いいきっかけだと思う。
俺はさ いじめられてもぶっ飛ばしてやったから
全然痛くなかったし
力の強さを主張するのは大好きだったし。」

「龍もいじめられてたの?」

「俺 この通り変わり者だからね。」

「確かに・・・友達とか作らないもんね。」

「自分が合わせる価値のないやつはいらないし
親友は一人いればいい。」

「親友…いるんだ。」


龍が少し寂しげに笑った。

「って思ってたやつね……。」


あまりに寂しそうな龍を思わず抱きしめていた。

「守ってあげたくなる龍…嫌いじゃないよ。」
さっきの言葉を言い返して


「私がいるよ。」

龍を強く抱きしめた。
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