一途愛
輝くために
龍のいないクラスで三年になった。
私はまだ進路が決まっていなかった。とりあえず頭ぎりぎり
短大に行って・・・それから・・・・。

そう思ってたけど 今頃龍が がんばってるんだと
思うと恥ずかしい気持ちになった。
早く 何か見つけたい。
だけど今まで惰性できた勉強が 今更なんとかなるわけもなく…


「勉強もっとちゃんとしておけばよかった。」
私が言うと 亜美が

「今からだって遅くないよ。集中力とやる気だって
兄貴が言ってたもの。うちの兄貴不登校気味だったんだけど
いきなり人が変わって勉強しまくって 国公立行ったよ。」

「そうなんだ。きっかけだよね。
きっかけが…何かこう…こうやりたいって思えることって…。」

「人それぞれだからね。
私はとりあえず大学行って 将来はテレビ関係の
仕事に就きたいな~。」亜美。

仲間うちでも 保母さんとか栄養士とか…
早く将来を見つけないと…やっと焦り始めた今日この頃。

そんなある日のことだった。


買い物をしてる時 肩をたたかれた。

「姫ちゃん~。」

「あ 伊織さん!!」龍の姉伊織さんに再会した。

「久しぶりだね。元気だった?」

「はい 伊織さんは……。」何かが違う……。


「あら……。」伊織さんのおなかがふっくらしていた。


「そうなの。できないのかなってあきらめたら
できちゃって~~もう~~。」

伊織さんがまぶしく見えた。
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