繋いだ手
ちょっと前まで、引きずってて、

あたしを痛くさせたアイツからだった。


大きく煙を吐いて、気持ちを切り替えたはずなのに、

まだちょっと、(チクリ)とした。


アイツを思い出す時の自分は惨め。


一人だと惨めな気持ちがよみがえってきて、出れなかったかもしれない。


善が隣にいてくれてよかった。



あたしは、誰とでも浅く付き合うという事ができない。


善が、自分の事話してくれる分、自分の事も話したいとは思ってる。


けれど、言ってないことが多すぎて、何から話せばいいのか、わからない。


頭の上をそれが一周して回ったけれど、


口元から漏れた、バージニアの分身に紛れさせて、


その場を、とりあえず切り替えた。


「ごめん、ごめん。あぁっプランだよ!

どーするぅ?
何処いこう?

今日はね、あたし、歌いたい、あと、走りたいし、

うわっ、
どうしよっかぁ〜?何しよう?!」



「ぷっは!!!一人慌て?
超急いでるっっ。」



「ははっ、ごめん。

なんか、テンパってるみたい?ごめん、ごめん。

別にそんなんぢゃないんだけど、ははっ…


とりあえず、お腹へったね。」
< 25 / 71 >

この作品をシェア

pagetop