繋いだ手
「うん、減った!

じゃ、まず、こしらえっかぁ?」


善が、あげてくれた。


善と話すとこれだからいい。

すぐに切り替えられる


善が続ける。

「焼肉、寿司、カニ…あと鳥、食いたい!

けど、これは、あくまでも食いたいものね。

けど、この前豪快にいったから、


今日は半田やクラスかコンビニにすっぺし!」


わざと訛る語尾が心地いい。



車はそのまま45号線を東に走り続けた。



月末ともなれば、お互いの財布はとても寂しい。



だから、見栄や無理のない、このカタチがいい。


しかも、その薄い財布の中身さえ、


2人でかかれば、


楽しい

に変えれる。


「理央さん、何食いたい?」


「うん、任せるよ、兄やん!」


「ぢゃー、最初に目に入ったところね!」



「わかったぁ。で、どっち?
右?左?」


「右!あっ、待って…やっぱ、左、左ね。」


いつも、こんなんだよ。


けど、目的地がないソレが、また、あたし達をご機嫌にさせてくれる。
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