社長と小悪魔ハニーの年の差婚
トーマは私の下手くそな運転を警戒して、みずから、実家に送り届ようと車を走らせる。



「このまま、戻って来なかったら、どうする?トーマ」


「…そんなに怒ってるのか?」


「・・・」


怒りはいつの間にか収まっていた。


「どうして?…麻古姉なのよ…」


「・・・悪かった」


トーマは同じ言葉を繰り返すだけ。



「麻古姉相手じゃあなかったら、実家に帰ろうなんて言わないよ」



「ほかの女のほうが良かったか?」



「知らない…女の方がいい…麻古姉は私の知らない若い時のトーマを知っている…二人が嫌いで別れたんじゃあないってコトもわかってるから」


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