胸の音‐大好きな人へ‐
藍が友達に言ってた俺の悪口。
突然の別れ。
受け入れられなかった俺は、放課後校門前で藍を待ちぶせし、「もう一度やり直したい」と、頭を下げて申し出た。
「受験終わったら、付き合ってほしい。
まだ、藍のことが好きなんだ。
悪いとこがあるなら直す努力するし、電話とメールも受験終わるまではひかえる!
遊んだりするのも、卒業するまでは我慢するから……」
あの頃の俺は、なんて素直で無鉄砲なヤツだったんだろう。
藍はめちゃくちゃ辛辣(しんらつ)な言葉で、俺を打ちのめした。
「そーいうとこがウザいって、まだ分かんないの?
ちょっと優しくしただけでイイ気になんないでくれる?
受験を理由にして別れたのなんて口実に決まってんじゃん。
分かんないならハッキリ言ってあげる!
駆け引きもできなくて、ただ好き好き言ってるだけじゃ、どの女相手にしてもすぐ飽きられるよ?」
今の俺があの頃にタイムスリップできるんだとしたら、当時の無垢な俺の腕をかんじがらめにして、再び藍と関わるのを全力で止める!!
そのくらい、打ちのめされた。
傷ついたなんてもんじゃない。
「傷つく」以上に傷は深かった。