胸の音‐大好きな人へ‐

春佳にはあれから何度かメールを送ってみたけど、返事はない。

メールじゃラチがあかないと思って電話もしてみたけど、即留守電に切り替わってしまう。


会いたい。

声が聞きたい。

顔がみたい。

抱きしめたい。


大学の授業なんかどうだっていいから、迷ってないで春佳に会いに行けばいいんだ。

だけど、体から離れてくれない弱い俺が邪魔をする。

『行ったら余計傷つくだけだろ』『今まで築いたイメージ崩す気?』と、脅しをかけてくる。

そうだ。行ったらいけない。

いま動いたら、きっと春佳に本音をぶつけてしまう。

ヘタしたら、今いる京都の大学やめて春佳のいる地元·愛知の大学に編入したくなっちゃうかもしんない。

それくらい、限界なんだ。

心も、体も、春佳を求めてる……。


そんな俺の姿を見たら、春佳はガッカリするかも。

もし別れることになったとしても、最後までクールな俺を演じるべきだよな……。

《別れ話をした瞬間男が豹変した!》なんていう、どっかで聞いたような泥沼エンドは迎えたくない。

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