胸の音‐大好きな人へ‐
春佳、何言ってんだよ……。
本音をさらした俺に春佳が驚いたように、俺も春佳の発言に目をむいていた。
時々悩み事をつぶやくことはあっても、こんなにダークな雰囲気を放つ春佳は初めてだ。
「たしかに、今まで冷たかったのはごめん。
でももう、そういうのやめるから……」
「やっぱり圭も、こういう顔が好きだったんだね。
今までの私の顔とは大違いだもんね。
メイクしやすいし、すっぴんでも目大きいし!」
「顔で判断したことなんかないって!
付き合う前からずっと、春佳のことカワ……」
「ウソつかないでよ!!」
俺の言葉を遮るように春佳が叫ぶ。
夜遅い時間。ビルの多い街なみに、春佳の声は大きく反響した。
その目からは涙があふれ、肩も震えてる。
こっちも泣きそうだよ……。