愛花~桜~
寝室もやはり美しかったがそれほど煌びやかではなかったためか安堵の息を吐き出し近くにあったドレッサーに髪や首から外した装飾品を奥とベッドに近寄り靴を脱いでベッドへと飛び込んだ。
「………疲れた」
三日三晩馬車に揺られてやって来れば桜月殿に連れてこられてあっという間に色んな事を教えられた。
こんなに疲れているのに慣れない場所だからか眠れない。
着ている寝間着もシルクで作られた肌触りのいい滑らかなもので落ち着かない。
イヴは深く息を吐き出し布団の中に潜り込むと仰向けになり、天井を見詰めたが天蓋付きのベッドだったため天蓋に描かれた女神の絵が目に写る。
桜の花に囲まれて優しく儚げな笑みを浮かべている女神の絵は正しく桜の女神の絵だと断言できた。
「綺麗………」
私もあんな風に綺麗だったなら選ばれた理由が分かったのにと目蓋を閉じて目尻に溜まる滴を無視した。
「………ヒルト」
目蓋に描くのは将来を誓い合った恋人で。
諦めなくてはいけないのに諦められない辛さにぎゅっと胸元を握り締め強く目蓋を瞑ったのだった。
幸せな夢を見れることを祈って。
「………疲れた」
三日三晩馬車に揺られてやって来れば桜月殿に連れてこられてあっという間に色んな事を教えられた。
こんなに疲れているのに慣れない場所だからか眠れない。
着ている寝間着もシルクで作られた肌触りのいい滑らかなもので落ち着かない。
イヴは深く息を吐き出し布団の中に潜り込むと仰向けになり、天井を見詰めたが天蓋付きのベッドだったため天蓋に描かれた女神の絵が目に写る。
桜の花に囲まれて優しく儚げな笑みを浮かべている女神の絵は正しく桜の女神の絵だと断言できた。
「綺麗………」
私もあんな風に綺麗だったなら選ばれた理由が分かったのにと目蓋を閉じて目尻に溜まる滴を無視した。
「………ヒルト」
目蓋に描くのは将来を誓い合った恋人で。
諦めなくてはいけないのに諦められない辛さにぎゅっと胸元を握り締め強く目蓋を瞑ったのだった。
幸せな夢を見れることを祈って。