ラブラブ☆レッスン
「あ、目が覚めましたか?
ここは保健室です。」
にっこり優しく微笑む先生に見惚れながら
私はコクリと頷いた。
「良かった…。実は、僕がちゃんと生徒を見ていなかった不注意で姫埼さんの綺麗なお顔を傷つけてしまったのです。おまけに気絶までさせてしまい…本当にすみません。」
悲しそうな顔で先生は
私の赤く腫れたおでこに
優しく、優しく触れた。
ドキッとする私の心。
そんなことに
気づかない先生は
もう1回すみませんと呟いた。
「まこくんー、実紅ちゃんは起きた?」
その声と同時に
保健室のドアがガラガラっと開いた。
姿を表したのは
保健室の先生、
柳沢幸(ヤナギサワサチ)こと
さっちゃんだった。
さっちゃんは
とても綺麗で
親しみやすい性格から
生徒から好かれている
26歳の先生だ。
私も、いつも
仲良くさせてもらっている。
先生は私のおでこから
手を放し
さっちゃんに
少し焦った顔で言った。
「や、柳沢先生!学校ではちゃんと寿先生と呼んでくれ、といつも言ってるじゃないですか。」
「あ、ごめんなさい…つい癖で。実紅ちゃん、大丈夫?」
そう言って
さっちゃんは
心配そうに首をかしげた。
なんか胸が
モヤモヤする。
先生たちどんな関係
なんですか!?
そう言いたい衝動を
ぐっと抑え
私は苦笑いをした。
「もう、大丈夫です。ご迷惑をおかけしました。そういえば…、私をここまで運んでくれたのって…。」
私は
ふと思い出した
あの温もりの正体を
知りたくて先生に尋ねた。
いったい誰なんだろう…。