ラブラブ☆レッスン
ゲーセンに行くと
可愛いくまの
クレーンゲームがあった。
可愛いー!
私の視線に
気付いたのか
亮くんが得意げに言った。
「取ってあげようか?俺、すげー得意なんだよね。」
「え!でも、かなり大きいし…。」
くまのぬいぐるみは
腕に収まるくらいの
大きいものだ。
私が心配そうに見ると
亮くんは
困ったように笑った。
「あまり気遣いしないでよ。俺だって、姫埼さんに良いところ見せたいし、喜んでもらいたい。それに、得意だって言ったろ?」
あまりにも
真剣な思いが伝わって
きたので、私は頷いた。
「じゃあ、お願いします。」
私が頭を下げると
亮くんは嬉しそうに頷いた。
「よし、まかせろ!」
亮くんは
慣れた手つきで
500円玉をいれた。
ゆっくりと動き出すクレーンを
じっくり見つめる私達。
しかし、残念ながら
ぬいぐるみが
少し動いただけだった。
「あー、おしい!」
私が残念そうに
言うと亮くんは
考えるように言った。
「まだまだこれからだよ。頭のほうを持ち上げて…」
そう言いながら
またクレーンを動かす。
それから
何回かやると
見事くまが持ち上がり
穴の中に落ちた。
「「やったー!」」
2人でハイタッチを
かわすと、
亮くんは
くまのぬいぐるみを
私の前に差し出した。
「はい、あげる!」
「ありがとう!可愛いー!」
私はくまを抱き抱えて
満面の微笑みで
亮くんを見た。
「頑張って良かった。やっと、姫埼さんの笑顔が見れた。」
照れながら
満足そうに笑う
亮くんに
私は少しときめいた気がした。
それから
2人でクレープを食べ、
少し待っててくれ!と
告げた亮くんは
走ってどこかへ消えてしまった。
どうしたんだろう…。
まさか、
やっぱり気分が
変わって帰ってしまったのかな…。
そう思い始めた直後、
私を呼ぶ
亮くんの声がした。