しゃぼん玉
メイは表情の無い顔でリクを見上げた。
リクはためらうような仕草をした後、ずっと気がかりだったことを口にした。
「メイが熱出してここに来た日に、メイんちに変なおっさんが来てさ……。
髪はこんくらいで、背は高めで……」
あの時、穂積家に上がり込んできた男の特徴を話した。
「それって、おばさんの彼氏なん?
メイ、会ったことある?」
「さぁ…………」
アッサリし過ぎなメイの返事に、リクは肩透かしを食らった。
メイは無関心そうに、
「ババアの彼氏の顔なんて、いちいち覚えてない。
キモいから見ないようにしてるし」
「そっか……」
リクは、その時の男がメイ目当てだったことは言わなかった。
メイを不安がらせたくない。