しゃぼん玉
その日の夜。
バイトを終えたシュンは、マナの元に向かった。
高山家に着くと、マナの弟·カズが、シュンを出迎えた。
「先輩、バイトおつかれ!」
「ああ。
マナ、部屋?」
「うん、部屋にいるよ。
でも、何か、今日はずーっと難しい顔してて……。
先輩、姉ちゃんとケンカしたの?」
「違う。
ミズキとちょっと……。いろいろあって」
「ミズキちゃんと?」
カズは目を丸くする。
まさか、マナとミズキが仲たがいをするとは思っていなかったようだ。
シュンはカズを安心させるように、
「大丈夫。すぐおさまると思うから」
「ならいいけど。
姉ちゃんが友達を悪く言うの聞いたことなかったから、ちょっとビックリした」
カズはホッとした顔で、マナの部屋に向かうシュンの姿を見送った。
シュンがマナの部屋に入ると、マナは難しい顔でパソコンと向き合っていた。
「何見てんの?」
シュンはマナの背後からその細い体を抱きしめ、マナに合わせるようにパソコン画面を覗き込む。