しゃぼん玉


その日の夜。

バイトを終えたシュンは、マナの元に向かった。

高山家に着くと、マナの弟·カズが、シュンを出迎えた。

「先輩、バイトおつかれ!」

「ああ。

マナ、部屋?」

「うん、部屋にいるよ。

でも、何か、今日はずーっと難しい顔してて……。

先輩、姉ちゃんとケンカしたの?」

「違う。

ミズキとちょっと……。いろいろあって」

「ミズキちゃんと?」

カズは目を丸くする。

まさか、マナとミズキが仲たがいをするとは思っていなかったようだ。

シュンはカズを安心させるように、

「大丈夫。すぐおさまると思うから」

「ならいいけど。

姉ちゃんが友達を悪く言うの聞いたことなかったから、ちょっとビックリした」

カズはホッとした顔で、マナの部屋に向かうシュンの姿を見送った。



シュンがマナの部屋に入ると、マナは難しい顔でパソコンと向き合っていた。

「何見てんの?」

シュンはマナの背後からその細い体を抱きしめ、マナに合わせるようにパソコン画面を覗き込む。

< 104 / 866 >

この作品をシェア

pagetop