しゃぼん玉
「やっぱりね。そんなことだと思った……」
リクの考えを見透かし、正美はため息をつく。
リクは、正美と父·義弘(よしひろ)に向かい、
「でっ、でも!
メイんちのことは、父さん達だって良く知ってるじゃん!
もうちょっとだけ……。いいだろ?」
今まで黙って妻と子のやり取りを見ていた義弘が、重たい口を開いた。
「メイちゃんは、まだ虐待を受けてるのか……?」
養護施設には行きたくないと言っていたメイの言葉を思い出し、リクは「うん」と即答できなかった。
「……お前……。
まかさとは思うが、メイちゃんと付き合ってる……のか?」
「違うけど……」
正美はあからさまに安堵の表情を浮かべる。
リクがそんな母の表情に引っかかりを感じていると、
義弘は仕方ないなと言いたげに眉を下げ、
「わかった。あと少しだけなら、ここにいてもらっていい。
だからせめて、学校へはちゃんと通ってもらえ。
それくらいは出来るだろう?」
リクは打って変わって明るい顔になり、
「わかった!
じゃあ、明日学校が終わったら、メイんちに制服取りに行く!
メイと一緒に」
リクと両親の話が終わったのを察し、メイは早足でトイレに向かったのだった……。