しゃぼん玉
翌日の朝。
いつも通り、ミズキが大学の最寄駅前の通りを歩いていると、
「おはよっ!」
軽快な挨拶と共に、マナに肩を叩かれた。
珍しいことに、今日はマナ一人のようだ。
マナはミズキの顔色をうかがうように、切り出す。
「……ミズキちゃん、昨日はごめんね……。
私、ミズキちゃんのことが心配で、つい……」
「マナ……」
「私、ミズキちゃんのしたいこと、応援する。
……正直最初は、穂積メイの立場を理解するなんて、考えられないことだったけど……。
でも、臨床心理士になりたいと思ってる私達にとって、これが一番最初の課題かもしれない。
本当に臨床心理士になったら、きっとたくさんの人の心の傷と向き合わなきゃいけない……。
それに、ミズキちゃんの優しさで、穂積メイとリョウ君に関する事が、いい風に変わるかもしれないから。
だから、私も協力するよ」
ミズキは喜びで胸がいっぱいになった。
マナも、ミズキと同様、過去の辛い体験をバネにし、臨床心理士になって人を救いたいという夢を持って、この大学に通っている。