しゃぼん玉
『子供には子供の人生がある』という、当たり前のことが理解出来ていない。
ゆえに、『私の子供なのだからどうしようと私の自由だ』という風に、虐待した事実を反省せず、開き直ってしまうのだ。
また、子供も子供で、他の大人を見ずに虐待する親だけを見て育つので、無意識レベルで『これが親の愛情表現なのだ』と刷り込まれてしまう。
人に対する愛情表現を示せない子供になってしまう。
そして、不安定な感情を持つようになり、親に見放される不安だけがついて回る。
穂積メイが親に対してどう思っているかは分からないが、
『私は親に捨てられたくない。
虐待されてもそばにいたい』
そう思ってしまったら最後。
虐待は、暗闇の中、永遠に繰り返されることになる。
この悪循環から抜け出すには、周囲の人々が虐待への理解を深めることや、親子へ介入する他人の存在が、何よりの救いとなるのだ。
ミズキとマナは、大学までの道のりを歩きながら、今後の作戦を練った。
「穂積メイのことを知りたいとは言っても、家とか分からないよね。
リク君の連絡先も聞いてないし……」
そう言い、マナは難しい顔をする。