しゃぼん玉
シュンは、マナのピアノや少林寺のスケジュールと同じ時間に、バイトを入れている。
二人の時間を取るために。
そして、すれ違わないために……。
本日、マナがピアノを休む(サボる)ことを知り、シュンはかなり驚いていたが、
「何かあったら、すぐ連絡してな。
ほんとは俺も行きたいけど……。ごめんな」
「ううん、その気持ちだけで嬉しいよ」
ミズキは微笑む。
「ミズキちゃん、ナナセ君のことも誘ったら?」
マナが提案する。
「それが……。今日は夕方から用事があるみたいで……」
ミズキは寂しさを隠すように笑ってみせた。
マナは「それなら仕方ないか」と、表情だけで反応する。
最近のナナセは、ずっと、夕方に予定を入れている。
何の予定なのか気にはなるし、ゆえにミズキと会う回数も減ったが、ミズキはそれをナナセに追求していない。
シュンはミズキの寂しさに気づき、
「大丈夫。アイツ、ミズキのことすごく大切にしてるから。
また、そのうち四人で遊びに行こ」
「うん」
ナナセに想われている。
それだけで、ミズキは今後のことを乗り切る勇気が湧いたのだった。