しゃぼん玉

メイはひんやりした表情で少しだけ眉をつり上げた。

「……そうやっていかにも親切ぶったこと言って、あんた、何が目的なの?

エッチなんてさせないよ。

他、行けば?」

想定外だったメイの言葉にリクは面食らった。

それと同時に、カッと強い感情が込み上げる。

悲しいような、悔しいような……。

「なんでそうなるんだよ!

俺、そんなこと一言も言ってないじゃん!」

「言わなくても私にはわかる」

めんどくさそうにリクから顔を背け、早歩きするメイ。

「何がわかるの!?

メイは何もわかってない!

親切とか優しくしたいって気持ちは、みんなみんな、エッチ目的になるわけ!?」

「そーだよ」

「んなわけないだろ!

バカにすんな!!」

リクは声を張り上げた。

初めてリクの怒りに触れ、メイはらしくなく驚きで身を固くする。


いつもヘラヘラしている、説教好きな幼なじみ。

メイから見たリクは、そういうイメージでしかなかった。

何を言っても怒らない人間だと思っていたので、正直、ナメていた。

だが、そうではなかったのだろうか…………。


メイの中に、灰色の感情が渦巻く。

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