しゃぼん玉

夜、父親にされていることの意味も知らず、メイは父親になついていた。

父親は何でも買ってくれたし、メイが学校での出来事を話すと嬉しそうな顔で聞いてくれた。


その頃のメイはまだ、リクに対しても素直な心で接していた。


学校では嫌われ者のメイだったが、幼なじみのリクだけは常にメイの味方だった。

『あんなやつと関わるのやめた方がいいよ!』

みんなにそう言われても、リクはメイをかまい続けた。


父親に可愛がられ、幼なじみのリクとも楽しく過ごしている……。

そんなメイに、翔子の不満は鬱積(うっせき)していった。

体に傷を残すと周囲の人々に虐待を疑われてしまうと思い、言葉で執拗(しつよう)にメイを責めた。

夫がいない時間帯を狙って……。

『メイ、おいで?』

優しい声で呼びかけメイを安心させてから、その幼い首を思いっきり絞めた。

“捕まりたくはないから殺しはしないけど、苦しめ!!”

そんな悪意を秘めて。

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