しゃぼん玉
「ナナセ君の言うこと正しいんだってわかる。
でも私、もう少し様子が見たいの……。
穂積メイが現れても、何とか追い返すから……。
お金も、もう渡さない」
『ミズキちゃん……。
何か考えがあるんだね』
「うん……。
穂積メイは、画像をバラまいたりしないと思う。
私が犯人探しをしていた時も、
『リョウ君、かわいそうですね』って言ってたくらいなんだよ。
そんな風に演技できる子が、自分がイジメをした証拠をバラまくわけがないから……」
『そうだね。ミズキちゃんの言う通りだよ。
でも………。ミズキちゃん、危険だよ。
リョウ君をイジメてたのは、穂積メイって女子だけじゃなかったんだよね?
その仲間に絡まれたりしたら、危ないよ……。
今日はたまたま穂積メイ一人だけだったかもしれないけど……』
ナナセの指摘に、ミズキの中で恐怖心が芽生える。