しゃぼん玉

「そういうわけだから、じゃ!」

どうにも胡散(うさん)くさいその男を睨みつけ、リクはメイの手を引っ張り歩きだした。

すると男は二人を呼びとめ、名刺を差し出した。

「この間は驚かせてごめんね。

僕は、こういう者だ」

リクは警戒心をあらわにして、渡された名刺を見る。

そこには、弁護士事務所の名前と住所、

そして、その男の名前と電話番号が印刷されていた。


男の名前は、宇都宮誠二(うつのみや·せいじ)。

弁護士だそうだ。

メイは無関心そうに宇都宮の首辺りを見ていたが、リクは緊張を和らげ明るく、

「あんた、弁護士だったんだ。

最初、勝手に人んちに上がって来たから、絶対ヤバイ奴だと思った」

宇都宮は豪快に笑った。

空気は和やかになる。

「君は、松本リク君、だね」

「なんで俺の名前知ってんの!?」

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