しゃぼん玉

宇都宮は、メイがリクの家に居候(いそうろう)することに大賛成した。

「ずっとリク君ちにいるわけにはいかないだろうけど、翔子さんと同居を続けて、メイちゃんの心の傷を深くしてはいけないからね。

僕は弁護士だから、メイちゃんを預かったりは出来ないけど……。


リク君。メイちゃんのこと、よろしく頼むね」

「任せて!!

言われなくてもそうするつもりだったし」

自信満々なリクの表情を柔らかい瞳で見ながら、宇都宮はメイに言った。

「メイちゃん。

お母さんのことでつらいことがあったら、何でも僕に相談してね。

学校のことや生活のこと、なんでもいい。

ささいなことも、話してね。


仕事中は無理だけど、それ以外は必ず、連絡取れるようにするから」


翔子の恋人に雇われた弁護士·宇都宮は、爽やかな表情で颯爽(さっそう)と帰っていく。

二人は宇都宮の背中を見送った。

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