しゃぼん玉
ミズキはドキドキしながら、メイの返事を待った。
伝えたいことは、全て伝えた。
まだ正直、メイに対して恨みがないとは言い切れない。
だけど、それより、メイの力になりたいと思っていた。
虐待で受けたであろう傷を、少しでも共有したかった。
メイが楽になれるように…………。
だが、メイが放った言葉は、ミズキにとって予想外のものだった。
「バカじゃない?
弟のことイジメてた女を助けたいって?
虐待から守りたいー?
チョーウケるー。
あんたに心配されるほど、私は落ちぶれてねーよ」
「メイ!!」
リクはメイの発言を止めようとし、マナもメイを鋭い瞳で見ていたが、
メイは遠慮も容赦も全くせず、思ったことを言った。
「そういうの大っ嫌い。
いい人ぶって、楽しい?
……偽善者……」
そう言うとメイは、リクの手から彼のカバンをひったくり、乱暴な手つきでその中身をまさぐった。