しゃぼん玉
それまで黙っていたマナは低い声で、
「いい加減にしなよ。
ミズキちゃんが何したって言うの?」
と、メイにつかみ掛かろうとした時、ミズキがその手を止めた。
「マナ、私は大丈夫だから」
「でも!!」
ミズキはマナを落ち着け、この場の空気を取り繕うように、
「わかったよ。
このお金は、ナナセ君に返すね。
今日はいきなり来てごめんね。
……行こう、マナ」
マナは渋々立ち上がり、悔しげな顔でミズキの後を追った。
メイをその場に残し、リクは二人を追いかけた。
ファーストフード店から30メートルほど離れた路上で、リクはやっと二人に追いつく。
「なんか、すみません……。
メイのこと心配して来てくれたのに……」
「…………穂積さんに、嫌な思いさせちゃったね」
ミズキは切なげだった。