しゃぼん玉

ミズキの心はじんわりあたたかくなる。

「ミズキがそんなこと言うなんて。

ナナセ君と何かあった?」

菜月が柔らかい瞳でミズキを見る。

「うん……。

最近のナナセ君、よそよそしいっていうか、特に夕方、連絡取れないことが増えて……。

私、何か嫌われるようなことしちゃったのかなって、心配で……」

菜月は静かに目を閉じ、しばし考えた。

「そうね。それはたしかに心配よね。

でも、ナナセ君に悪気はないかもしれない。

ちゃんと一度、顔を見て話したらどう?」

「そうだよね。

一人で考えてみてもわからないもんね」


ナナセのことを前向きに思い直したミズキは、菜月に、子育てに関することを訊いた。

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