しゃぼん玉
そうしてまた月日は流れ、11月中旬を迎えた。
ナナセが何かに悩んでいるフシがあったが、ミズキはそれに気づかなかった。
ミズキはマナに励まされ、一度失いかけた自信を取り戻した。
夢を大切にし、迷いを振り切り、前だけを見ていくことに決めたのだ。
この時のミズキは、ナナセからの連絡が減ったことを深く考える時間がなく、マナやシュン、サークルの仲間達と送る大学生活に充実感を覚えていた。
そんなある日の夜。
メイがお風呂に入っている間、リクは両親に呼び出された。
「リク、ちょっといい?
メイちゃんがいないうちに、話しておきたいことがあるの」
「なに?
そんなコソコソして」
正美と義弘は、リクに真剣な目を向ける。
リクはなんとなく嫌な予感がした。