しゃぼん玉
「リク君!!」
「宇都宮さん!
メイ、見つかったんですか!?」
「いや、まだだ。
僕もいろいろ探したんだけどね……。
困ったことになったな」
「すいません、俺がちゃんとしてなかったから……」
宇都宮はリクを励ますように、
「いいんだよ。君はメイちゃんを励ましてくれていたじゃないか」
「俺なんて……」
リクは自分の無力さを吐露(とろ)した。
メイを守り切れていなかった今までの自分、そして、両親が虐待されて育ったメイを嫌っているということを……。
「メイの幼なじみだからって、思い上がりもいいとこっすよね。
メイの苦しみ、なんでもわかった気でいた。
そんなの俺には、わかるはずないのに……」
宇都宮は黙ってリクの話をきいている。