しゃぼん玉

「メイが、今もどこかで一人で出歩いているのかと思うと、俺…………。

メイ、絶対に傷ついた。

父さん達の言葉で……。

なのに俺は、メイを家に泊めるだけで安心してた。

全てのことからメイを守った気でいた。

父さんや母さんが、メイのことあんな風に思ってたなんて知らなくて……」

思い詰めるあまり、リクはしゃくりあげる。

「リク君、君は悪くないよ。

リク君ちを出て行ったとなれば、メイちゃんにも何か考えがあるんだと思う。

僕も明日から、仕事の合間にメイちゃんを探してみるから、リク君は家に帰りなさい。

両親も心配しているだろうから……。

メイちゃんのことは、僕に任せて」

「はい…………。

お願いします。

俺は俺で、出来ることをやってみます」

宇都宮の言葉を受け、リクは自宅に戻った。

“メイのために、俺には何が出来るだろう”

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