しゃぼん玉
シュンが運転するレガシィの中、ミズキはマナと共に後部座席に乗った。
マナはミズキの背中をさする。
今夜のミズキはけっこう飲んでいた。
さきほどまで気持ち悪くはなかったのに、リクからのメールを見てから、酔いが急速に回ってきた。
ミズキに話を聞いたシュンとマナは、メイの行方を心配した。
だが、体調の良くないミズキに気を配り、今は一時的に会話をストップしている。
「ごめん、マナ…………」
「気にしないで」
体の不調は心の不調を招くとよく言うが、こんな時にそれを思い知らされることになるなんて、ミズキは思っていなかった。
上半身全部を圧迫する気持ち悪さ。
ミズキは最近、ナナセとスムーズに意思疎通ができていないような気がしていた。
話したい時に話せない。
会いたい時に会えない。
「うまくいっていない」という言い方は間違っているかもしれないが、うまくいっていると言える気分でもなかった。
背中をマナになでられつつ、ミズキは外の景色を見ていた。
暗い闇に月の明かりがぼんやり浮かび上がるのが目に入ると、普段しまい込んでいる本音がみるみるうちに溢れ出してくる。