しゃぼん玉
ミズキはシュンの病室で、初めてナナセと対面した。
それが、付き合うことになったキッカケ。
お互いに、知り合った時から淡い恋心を抱いていたのだが、奥手なナナセと、元カレとの別れを引きずっていたミズキは、なかなか友達期間を抜け出すことが出来ずにいた。
マナとシュンの協力があったおかげで、無事に付き合えることになったのだ。
ミズキとナナセは、手をつなぐだけの関係。
だけど、ミズキはそれでいいと思っていた。
ナナセもまだ、それ以上に発展することを恥ずかしく感じていたので、ミズキはそんな彼に無理させたくないとも思っていた。
ナナセといると癒される。
ミズキはそれで十分だった。
そんな幸せな日常の中で、臨床心理士になりたいという夢を持ち、大学の授業に臨(のぞ)んでいる。
けれど今日は、穂積メイの訪問が脳裏にちらつき、授業に集中できなかった。