しゃぼん玉

入浴後、髪を乾かしたメイは、一人で寝るには大きすぎるベッドに身を沈めた。


ふと、想像してみる。

“恋人”と呼ばれる存在と自分が、ここに入る姿。

“キモ…………”

鳥肌が立ったので想像をやめた。


と同時に、母親·翔子の日ごろの行いを思い出す。


翔子は、メイの父親(元·夫)と別れてから、何人もの男と付き合い、彼らの経済力に寄り掛かり、女を武器にして生きている。

メイはそんな母親が大嫌いだった。

娘がいる家に、平気で男を上げる翔子の神経も理解出来なかった。


メイが翔子を嫌っている理由はそれだけではない。

翔子は、メイが生まれた頃からメイを虐待していたのだ。

いや、今も、“時々”していると言った方が正しい。

< 30 / 866 >

この作品をシェア

pagetop