しゃぼん玉
入浴後、髪を乾かしたメイは、一人で寝るには大きすぎるベッドに身を沈めた。
ふと、想像してみる。
“恋人”と呼ばれる存在と自分が、ここに入る姿。
“キモ…………”
鳥肌が立ったので想像をやめた。
と同時に、母親·翔子の日ごろの行いを思い出す。
翔子は、メイの父親(元·夫)と別れてから、何人もの男と付き合い、彼らの経済力に寄り掛かり、女を武器にして生きている。
メイはそんな母親が大嫌いだった。
娘がいる家に、平気で男を上げる翔子の神経も理解出来なかった。
メイが翔子を嫌っている理由はそれだけではない。
翔子は、メイが生まれた頃からメイを虐待していたのだ。
いや、今も、“時々”していると言った方が正しい。