しゃぼん玉

アイリを見送った後、ミズキは両手を胸元で組んだ。

「なんか私も緊張してきたよ……。

アイリちゃんの彼氏が、浮気してませんように」

必死に願って、瞳を固く閉じる。

ナナセもそれにつられるように、

「うん。

話きいてると、アイリちゃんの彼氏も悪気があっておかしな態度してるわけじゃないみたいだしね。

ワガママっぽいけど、優しい人みたいだし……」

「アイリちゃんの話、ちょっと感動したもん」

「スーパーでの話だよね。

普通は、なかなかできないことだよね」


かすかに揺れる秋の冷たい空気に、ミズキは身震いしてしまう。

ナナセは自分のジャケットを脱ぎ、それをミズキの肩にかけた。

「ナナセ君……」

「着てていいよ。

今日ずっと動いてたから、暑くて」

「ありがとう……」

ナナセの体温がまだ残っていて、ミズキはドキッとしてしまった。

慣れないことをしたせいで、ナナセの頬は赤くなっている。

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