しゃぼん玉

たとえ二人がそう思っていても、アイリが彼氏との別れを望んでいないのであれば、アイリの気持ちを見守るほかなかった。

ふと見上げた夜空は雲に覆われていて、星一つ見えない。

まるで、今のミズキとナナセの心境を映しているみたいだ。


「マナならなんて言うだろう?」

「アイリちゃんの彼氏に、怒ると思うよ」

気遣うようなナナセの声。

ミズキはそれを飲み込むように、深呼吸した。


「あ、アイリちゃん戻ってきたよ」

ナナセは、15メートル先にアイリの姿をとらえた。

アイリの嬉しそうな笑みを見た二人は、アイリが彼氏と仲直りしたのだと悟る。

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