しゃぼん玉


その頃、メイは清と共に、夕食の支度をしていた。

「メイちゃん。もし良かったら、手伝ってくれんかね」

優しい微笑を浮かべた清にそう言われ、メイはなんとなく清を手伝うことにした。

こういう面倒なことは極力避けたかったのに、その思いとは裏腹に、メイの体は清に指示されるがまま動いていた。


照り焼きハンバーグを作ると言った清の予告通り、今、この空間にはそれらしい芳(かんば)しい匂いが広がっている。

清は、慣れないことの連続で戸惑っているメイの手元を見て、

「メイちゃん、上手だねぇ」

と、褒めた。

そんな風にあたたかい言葉をあたたかい声音で言われたら、メイは嫌でも昔を思い出してしまう。

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