しゃぼん玉
誰もが、段階を踏んで今の自分にたどりついている。
“気がついたらこんな自分になっていた”
“好きでこんな生活を送っているわけじゃない”
“まっすぐに親の愛を求めていた時もあった”
メイも表面的にはそう思っているのに、最近ではもう、その時のことを全く思い出せなくなっていた。
いくつかの絶望にぶちあたり、傷つき、裏切られ……。
そんな人生を送るうちに、メイは期待するのをやめたのだ。
期待や理想、前向きな願いといったプラスの感情は、人を奮い立たせる明るい光に満ちている。
だが、それは同時に、絶望を深くする。
願望が叶わなかった時の衝撃を大きくするのも“プラスの力”だ。
メイは好き好んで無気力人間になったわけではない。