しゃぼん玉

差し入れの袋を嬉しそうにカサカサ揺らすと、リクはメグルにメールをした。

メイに渡したい物があるから彼女に会いたいと伝えると、メグルは快くオーケーしてくれた。

メグルはこうして、ケータイを持っていないメイに代わり、リクの伝言をメイに伝えてくれている。

メグルは今、メイと一緒に自宅にいるらしい。


皆、メイが落ち着いた暮らしをしていることに、安心した。


滝川家に向かう途中、ミズキはリクに、ずっと気になっていたことを訊いた。

「バイト始めたこと知って、リク君の親は何か言ってた?」

「ああ…うん…。

バイトしてること、親には言ってないんだ……」


リクの両親、正美と義弘は厳格な人間だ。

特に正美は、リクがこうして校則違反をしていることを知ったら、頭ごなしに叱り飛ばしてくるだろう……。

義弘も、リクが可愛いがゆえに、多めのお小遣いをリクに与えている。

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