しゃぼん玉

ミズキは、菜月の青白い顔を見て、

「ごめんね、お母さん……。

大丈夫?」

尋ねる声は、震える。

菜月の顔を見るため、ミズキはそっとベッドに座(ざ)した。

けれど、菜月の顔を真っ正面から窺(うかが)うことができなかった。

“何て言えばいいんだろう?

私はリョウの死に関することを隠してた。

お父さんもお母さんも、怒ったかな?

何て説明しても、言い訳にしかならないよね?”


穂積メイのこと。

リョウの葬儀の日に見た、晴天の中にあった雲。

大成とリョウが楽しそうに出かけていった時のこと。

それらが一気に、ミズキの頭に流れ込んできた。

全神経が潰れそうになる……。

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