しゃぼん玉
「リョウが亡くなった、すぐ後に……。
隠しててごめんね………」
母の柔らかい手のぬくもりに触れ、ミズキの涙は溢れ、止まらなくなった。
菜月はミズキを責めることもなく、逆に申し訳なさそうな声で、
「ううん、ミズキは辛かったよね。
三年間も、一人でリョウのことを抱えてきたんでしょう?
ミズキにそんな選択をさせてしまったのは、私達だわ。
そう思ったら、涙が止まらなかった……」
菜月は、さきほど途切れたはずの涙を再び流した。
「リョウがそんな目にあってたなんて、すごく悔しい……!!
そう思うのと同じくらい、ミズキには本当に申し訳なくなって……。
リョウが亡くなった時、私達がもっとしっかりしていたら、ミズキだけにあのノートのことを背負わせずに済んだのにね……」
「そうだな……」
ミズキの傍に立っていた大成も、陰(かげ)る瞳で言った。
「リョウはいつまでも、
もういなくても、
二度と会えなくても、
僕達の大切な息子だ。
もちろん、ミズキもそうなんだよ……」