しゃぼん玉
「……なっ!!
リョウを追い詰めた子!?」
菜月と大成はみるみると顔色を変えていく。
“その子の家庭の事情がどんな風だろうと、人を絶望の淵(ふち)に追いやる理由にはならない!!
リョウはそんなことのために死んだのか!?”
二人の瞳がそう言っている。
衝撃と痛みで言葉が出ないという様に、両親の唇は震えていた。
“わかるよ。私もあのノートを見た時、そう思ったから。
リョウは殺されるために生まれたわけじゃない!って……。
でもね……”
ミズキにも、曲げたくない想いがある。
「ごめんね……。
私はリョウの姉なのに……。
お父さんとお母さんの子なのに……。
でも、私はその子を助けたいと思ってる」
菜月は涙ながらに反対した。
「その子の事情は分からない……。
でも、ミズキがそこまでする必要あるの?
だってミズキは、リョウのようにイジメの被害にあった子を助けたいと思って、受験勉強もたくさん頑張って、そして今、心理学部のある大学に通っているのよね?
なのに、どうしてリョウを追い詰めた子を助けようとするの!?
夢を諦めちゃったの?
私は、ミズキにその夢を叶えてほしかった……。
リョウのような子を、一人でも多く救ってあげてほしかった……!」