しゃぼん玉
それからリクは、メイと共に桜並木の真下に持参していたビニールシートを敷き、弁当や菓子を広げた。
心遣いとは裏腹に、リクの腹は盛大な音を立てていた。
「やっぱりこれはもらえない」
メイが弁当を返そうとすると、リクはそれをやんわり押し返した。
「お弁当はメイが食べな?
俺はお菓子食べるから」
メイは瞳を伏せた後、リクのお弁当を口にした。
この時リクは、遠足が春に行われる行事で本当に良かったと思った。
桜が満開に咲いており、空の青さがとても心地よい。
少しだけ茶色がかったメイの髪の毛が、真上に上った太陽の光でキラキラと輝きを放っていた。
二人の居る場所は、学年のみんなが昼食を食べている芝生の広場より狭かったけれど、ビニールシートの上で二人、柔らかい春の日差しを浴びながら食べるお菓子は、リクには何よりもおいしく感じられた。
“メイと一緒なら、どんな場所だって最高の思い出になるんだね”